国民の皆さまへ
炭酸ガス(CO₂)というと、地球温暖化の原因としてネガティブな印象を持たれる方も多いかもしれません。
しかし、実はこの炭酸ガスは、私たちの暮らしや産業にとって欠かせない存在なのです。
そのことについて報告いたします。
1:炭酸ガスの使用用途と使用量
2024年における炭酸ガス使用用途と使用量について、以下の円グラフは、2024年における日本国内の炭酸ガス使用用途の割合と使用量(トン)を示しています。
溶接用が全体42%を占め、最も多く使用されています。
飲料用が19%、冷却用が8%、製鉄用が10%、化学用10%、その他(農業用含む)11%と続きます。
2:ドライアイスの使用用途と使用量
日本のドライアイス市場は、食品保存、物流、医薬品などの分野におけるドライアイスの需要拡大を主な要因として、大きな発展を遂げています。
日本国内のドライアイス製造量(2024年)年間製造量(推定):約12万トンで、炭酸ガス量で計算すると約30万トン(ドライアイスは炭酸ガスから製造する為)です。
この数字は近年上昇しています。
ドライアイス用途別割合(2024年推定)
3:炭酸ガスの日本国内の製造能力
総生産量(2024年)年間生産量:約88.1万トン(前年比:7.2%減)で、毎年下がってきています。
4:まとめ
①日本国内で炭酸ガス使用実績は年間で90.0万トン(炭酸ガス+ドライアイス)
②日本国内の炭酸ガス製造能力は年間で88.1万トン
③既に需要量が供給量を上回っている。足りない分は海外から輸入している。2025年度はもっと輸入が増える。
④日本政府及び炭酸ガス供給メーカーは足りない分は輸入に頼ろうとしているが、為替の問題、有事の対応等これから起こる予想できない事柄を考慮すると高い炭酸ガスを海外から輸入しなければならなくなる。既に日本国内で使いたい炭酸ガスは足りていない。
⑤炭酸ガスの使用用途で産業分野が多いが、造船や鉄骨の製造が思う様にできなくなる。
⑥飲料用炭酸水も国内で製造できなくなる。ビールや炭酸飲料が不足する。
⑦農業で炭酸ガスによる光合成促進栽培が出来なくなる。安定して、おいしい野菜が栽培できなくなる。
5:対策
日本政府と業界団体が一緒になって日本国内の炭酸ガス供給プラントを守り、現在の製造方法とは違うやり方(既に考案されているがコスト高が問題で本格的に取り組んでいない)に切り替えていく必要がある。
以上、危機的状況が数年後には、訪れる可能性があるという報告でした。
社長